※画像を押すと各月の現地情報をご覧いただけます。
6月も5月に続き、雨が多く日照時間が短いという気候でした。
ワイン生産者は天候の回復を待っています。
ひとつのできごとが、次のできごとにつながります。
雨が多く、涼しい気候が続いた6月は5月と比較してもぶどうの生育に良い条件とは言えませんでした。
このような気候が続いたため、開花期間が長く、困難な状況になりました。
特にシャルドネ種(※)のぶどうで、開花しても受粉がうまくいかず、花が落ちてしまうということが発生しました。この年のぶどう収穫量に影響を与えることになります。
ボージョレ地区北部のぶどう畑には雹(ひょう)が降り、地域によっては最大80%の被害をもたらしました。
(※)ボージョレ・ヌーボーにはガメイ種のぶどうを使用します。
しかし一方、この気候によりぶどうの木や草はたくましく成長しています。
ワイン生産者は枝の剪定(せんてい)、葉の間引き、草刈り、土壌の保全などを行い、植生を管理し、土壌の良い状態を維持するために熱心に働きました。
この雨が多く涼しい気候では、ぶどうの木に病気が発生することも心配されます。
カビが原因で発生する「べと病」が発生しており、ワイン生産者はぶどうを健康な状態で保つため、一層の警戒を強めています。
現在、ぶどうは実をつけ徐々に成長しています。
水分が蓄えられた果実は夏の間にふくらみ、熟していきます。
近年のような干ばつが発生する可能性は今年は低いこともあり、生産者は来る9月の収穫は『平年並み』でああることを期待しています。
ワイン生産に『同じ年』はありません。
ワイン生産者は昨年の7月は干ばつに気を使い、今年は湿度に気を揉みました。
7月の降水量は前月よりも少なかったものの、うどん粉病、べと病などからぶどうの木を守るため、定期的な手入れが必要でした。
当社のワイン生産者はぶどうの木を保護するために、環境への負荷が低いバイオコントロール製品を主に使用しています。
今年の雨が多い気候条件では、ぶどうの木は例年のような乾燥を恐れる必要がなく、収穫の可能性はかなり期待できるものになってきました。
7月末になってようやく夏が戻ってきたような気がします。
こうした夏の条件が『ヴェレゾン』と呼ばれる果実の色が変わる期間を誘発し、ぶどうを熟成させます。“ワインの品質を決めるのは8月だ!”ということわざもあります。
ぶどうの収穫はクレマン(スパークリング)の場合は9月初旬に始まり、赤ワインは9月中旬からのスタートになります。
7月中旬、当社の『生物多様性研修プログラム』の一環として、一部のワイン生産者はぶどうの植物相の認識についての研修を受けました。
実際にわたしたちのぶどうの木には多くの昆虫、クモやダニが生息しており、そこに群生し、摂食しています。
多くの生物が相互作用の中で生きている生態系であり、これが生物多様性の定義です。
ワイン生産者は、これら多様な生物はぶどう畑での生活を促進するために重要な役割を果たしています。
彼らは草や花の細片を蒔き、区画の周りに生垣を植えたり、古い壁を保存したり….
これらワイン生産者の慣行は生物多様性を守り、発展させることに非常に良い影響を与えているのです。
成熟具合、収穫見込み、スケジュール感に関する収穫前の最終状況など
過去1ケ月間、ぶどう畑で見られたこと
8月は暑く、記録された雨は30mmと雨がほとんど降りませんでした。
これらの良好な気候条件は、湿度が高いことに起因するぶどうの病気の発生を抑え、ぶどう畑をクリーンに保ち、ぶどうの熟成がうまく進みました。
一方、8月の初旬には雹(ひょう)を伴う嵐にもあいました。特にセントローマ・デ・ポペイとブルリーという町の被害が大きく、最大60%の損失をもたらしました。
現在、一部のぶとうは収穫できる可能性が高いですが、他のぶどうは収穫があまり期待できない状態です。そのため、現在、収穫量を予想することは、なかなか難しい状況ですが、1ヘクタール当たり50hl(ヘクトリットル※)の収穫を見込んでいます。
フォレ地区の我々のぶどう畑の区画はこの雹を伴う嵐の影響をほとんど受けませんでした。
※50hl=5,000ℓ
ここ数週間の気候の状況がぶどうの糖度を上げており、ブルリー地区ではぶどうの糖度が10~12度、カンシー地区では11度と熟成が進んでいます。
これらのことからカンシー地区では9月12日ごろから、ブルリ―地区ではそこから1週遅れでボージョレ・ヌーボーに使用されるガメイ種のぶどうの収穫ができるのではないかと思います。
クレマン側では、9月5日に最初に収穫されたぶどうがセラーに入ります。
来月は収穫の開始とヴィンテージの品質に関する情報をお知らせしたいと思います。
先月から、ぶどうが開花が始まりました。
今月は開花が終わり、あまり「花振るい」するなこともなく、順調に進んでいます。
今月、約50mmの雨が降りましたが、同じボージョレ地区でも場所によって状況が違っています。例えば、リヨン南部では、1日で60mmの降水を伴う暴風雨が発生しました。しかし、その後の乾燥と気温が高いことで、病気が広がることを抑えることができました。
ここ数日間で、いくつかの区画で「うどん粉病」にかかっている樹が見つかりました。これはじめじめした時期と太陽が照ることが繰り返されると発生するカビで、葉が襲われ最終的には収穫量の減少につながります。生産者はその発生を注意深く監視しています。
現在、ぶどうの房は色が変わり始めています。ぶどうが十分に大きく成熟期に入ると色は変化が進みます。今のところ、房の量は十分にあるようで、このまま進んでくれることを期待しています。
「花振るい」ってご存知ですか?
ぶどうの花のすべてが受粉するわけではなく、実の付きの悪いぶどうは落下してしまいます。しかし結果として、残ったぶどうに実が十分につき、適切な房の状態になるのです。ただし、ぶどうにストレスがかかった場合、例えば栄養分不足の場合、この「花振るい」が増え、ぶどうの実は少なくなってしまいます。
この時期を経て、成熟期もそろそろ終盤になります。
ボージョレ・ヌーボー(赤ワイン)の特徴は?
ボージョレ・ヌーボー(赤ワイン)は、ぶどうの収穫から解禁日まで2ケ月程度の早飲みワイン。その製法は「マセラシオン・カルボニック法(炭酸ガス浸透法)」。ぶどうを破砕せずそのまま大量にタンクに入れ、自重で少し潰れた液体が徐々に発酵が進み、二酸化炭素がタンク内に満たされることで色素を通常よりも早く溶出し、渋みや苦みの成分の抽出量を抑えることができます。そのためボージョレ・ヌーボーは、深みのある色合いながら、色からは想像できないほどフレッシュな味わいとなります。ワインの渋みであるタンニンが少なく、果実味の感じられるフルーティなワインに仕上がります。
赤ワインの渋みが苦手という方、ぜひボージョレ・ヌーボーにトライしてみてください。
発育段階、気象条件、ブドウ畑の進化…
過去1か月間のブドウ畑での観察をご紹介します
7月初旬の降水量は昨年と比較し約50㎜ほど不足しましたが、今年は昨年ほどの干ばつの心配はしなくて済みそうです。一度、フォレス平原とモーガンという場所で局地的な雹が降り、被害が出ましたが、ぶどうの樹はまた時間をかけて回復しています。今のところ気候的には、2014年と2017年に近いようです。
ぶどうの健康面では菌類による病気が心配されますが、ぶどうは感染しにくくなっており、夏の暑さでさらに感染しにくくなると思います。
スタッフが今年の収穫量の推定のために、10本のぶどうの木の房の数を実際に数えました。平均重量から試算し、今年の収穫量を推定しています。房がよく熟して、さらに少し雨が降れば、特にガメイ種のぶどうは非常に満足できる収穫になると思います。
ぶどうの色づきは先週からゆっくりと始まっています。開花して房が成長、熟成と続く第二段階は房の色づきから始まります。その間ぶどうは成長せず、糖と(ポリフェノールなどの)フェノール化合物を蓄えます。この第二段階で、将来のワインの香りと色が決まります。
2週間以内にはぶどうの糖度と酸度を測定する成熟度チェックが始まります。
どうしてこんなに有名になったの?
ボージョレ・ヌーボーが日本に入ってきたのは1970年代と言われています。1980年代も後半になると、いわゆる「バブル景気」と「ワインブーム」が重なり、ボージョレ・ヌーボーブームに火が付きます。成田空港への到着を待って、そのまま成田のホテルでボージョレ・パーティなんてニュース、シニアの方なら覚えているのではないでしょうか。新酒が『新茶』や『新米』などいわゆる初物を尊ぶ日本人の気質にあったこと、主要国の中ではいち早く解禁日を迎えることなどがボージョレ・ヌーボーが日本で人気になった理由でしょうか。
近年、日本の輸入量はピーク時よりは減少していますが、輸入量では日本が第1位、本国フランスに次ぐボージョレ・ヌーボーを飲んでいる国だそうです。
収穫目前。
成熟度、収穫の見込み、ここ1ケ月、ぶどう畑で観察しました
ここ数週間、ボージョレ地区の北部と南部では状況が違っていました。北部、ボージョレ・ヴィラージュとクリュでは、数回の嵐に見舞われましたが、ぶどうの木には良い水分でした。ぶどうが傷つくこともなく、収穫の見込みは良好です。しかし、8月中旬にシルーブルとレニエ地区で発生した雹により、私たちの畑は少し被害が出ました。
ボージョレ地区南部のコート・デュ・リヨネは8月にほぼ降水がなく、収穫量の約1/3を失ってしまいました。果実もかなり小さく、乾燥しています。コート・デュ・フォレでは、熱波の影響を受けましたが、心配したほどの被害はでませんでした。
ぶどうの収穫は収穫期の後半になるため、果には多くの糖分と香りの成分を作り続けます。
品質の面からは、今年のワインは期待が持てます。糖度は非常に興味深く、収穫直前の雨は降雨量としては不十分でしたが、ぶどうにはある程度良い効果をもたらしました。
シャルドネとクレマンを生産するブドウの収穫が始まりました。ボージョレ・ヌーボーになるガメイの収穫は9月11日頃から始まる見込みです。成熟度チェックはほぼ完了しています。ボージョレの潜在的なアルコール度は現在10%程ですが、今の段階では正常な値です。
セイコーマートとボージョレ・ヌーボー
セイコーマートは街のお酒屋さんがコンビニエンスストアに転換を進めたことがその出自です。ボージョレ・ヌーボーも、1980年代からメーカーさんが輸入した商品を取り扱っていました。1980年代の終わりからワインの自社輸入を開始し、1990年代にはボージョレ・ヌーボーも独自で現地ブローカーと生産業者の選定、輸入を開始しました。今年も現地の取引先と連絡を取りながら、セイコーマート専用にブレンドしていただき、北海道と関東に輸送する予定です。直接現地と交渉し、中間コストをカットし、北海道まで安全に運ぶ工夫をしています。
ボージョレ・ヌーボーは大手の酒造メーカー、輸入業者が取り扱っていますが、セイコーマートの輸入量は全国でもトップ10に入る本数です。毎年お買い上げいただいているお客様のおかげです。
いよいよブドウの収穫です!
9月は、いよいよブドウを収穫する月です。現地はすでに大忙しで、収穫の様子の写真が送られてきました。
『ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーボー』用のぶどうは9/8から、『ボージョレ・ヌーボー』用のぶどうは9/11から収穫に入りました。ぶどうの房をつぶさないように丁寧に収穫しています。9/21のメールではまだ収穫が続いているとのことです。
何といっても収穫から出荷まで2ヵ月もないのがこのワイン。収穫されたぶどうは、10月末にはフランスから出荷すべく、ボージョレ・ヌーボーの伝統的な製法である『マセラシオン・カルボニック法』(ボージョレ便り6月号を参照)で、製造過程に入っています。
来月の第1週にはテイスティングが行われいよいよ今年のボージョレ・ヌーボーのブレンドが決まります。楽しみですね。
セイコーマートのボージョレは4年連続金賞受賞
毎年、解禁日の直前に行われる『トロフィ・リヨン・ボージョレ・ヌーボーコンクール』は、2001年に創設されたボージョレ・ヌーボーを対象とした唯一の公式コンクール。セイコーマートのボージョレ・ヌーボーは2019年から4年連続で金賞を受賞しています。
今年は11/11(土)に審査が行われ、11/13(月)に結果が発表される予定です。
セイコーマートのボージョレ・ヌーボー
金賞受賞歴 ▼
2019年
ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーボー
ボージョレ・ロゼ・ヌーボー
2020年
ボージョレ・ヌーボー
ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーボー
2021年
ボージョレ・ヌーボー
2022年
ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーボー
ボージョレ・ヌーボーが到着しました!
10月初旬、現地で行われたテイスティングで今年のセイコーマートのボージョレ・ヌーボーのブレンドが決まりました。テイスティングの段階で非常に良いワインができたという報告が届きました。
ブレンドが決まったらすぐに製造に入ります。ボージョレ・ヌーボー、ボージョレ・ヴィラージュヌーボー、ボージョレ・ロゼ・ヌーボーが3日間でボトリングされ、ラベルを貼られて箱詰め、セイコーマートが指定した配送業者に渡され、パリのシャルル・ド・ゴール空港に運ばれました。
ボージョレ・ヌーボーは輸出が許可される日も今年は10月17日と決まっています。(ルールが厳しいボージョレ・ヌーボー!)輸出許可日を待って、セイコーマートのボージョレ・ヌーボーは北海道の店舗販売分は、香港を経由して新千歳空港に、関東のお店で販売する分は成田空港に到着。セイコーマート注文分全量が11月2日までに無事、到着しました。
新千歳空港の到着にはセイコーマートの担当者も立ち合い、瓶の損傷やラベルの汚れがないかなど、サンプルを取ってチェックしました。北海道内の各テレビ局にも取材を受け、ニュースにも取り上げていただきました。
おススメの飲み方は?
「赤ワインは室温で飲む」と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、ボージョレ・ヌーボーはフレッシュさを味わうために少し冷やして飲むのがおススメです。
赤ワインは冷やすとタンニンの渋みが強くなってしまいますが、ボージョレ・ヌーボーはそもそもタンニンが少ないのでその心配がありません。冷蔵後で1時間くらい冷やして、飲む15~20分くらい前に出しておくのが良いと思います。飲みやすいワインなのでごくごく飲んでしまいそうですが、その華やかな香りを楽しむことも忘れずに。
熟成ワインとは異なり、解禁日に入手した後は間をおかずに飲むのがおススメ。せっかくの新酒でもあり、年内に飲んでいただきたいワインです。
ボージョレ・ヌーボー解禁です!
11月2日までに、新千歳空港、成田空港に6便に分かれて納品になった今年のボージョレ・ヌーボー。各地区のセイコーマートの配送センターに運ばれ、解禁日直前に各店舗へ納品になりました。
毎年リヨン(フランス)で開催されるボージョレ・ヌーボーの唯一の公式コンクール『トロフィ ボージョレ ヌーボー(※)』。セイコーマートのボージョレ・ヌーボーは2019年から5年連続金賞を受賞しました。
[2019年]
ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーボー
ボージョレ・ロゼ・ヌーボー
[2020年]
ボージョレ・ヌーボー
ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーボー
[2021年]
ボージョレ・ヌーボー
[2022年]
ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーボー
そして今年、2023年はすべての商品が賞を受賞しました。
最高金賞 ボージョレ・ロゼ・ヌーボー
金賞 ボージョレ・ヌーボー
銀賞 ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーボー
※2001年から毎年解禁日直前に行われています。醸造家、ソムリエなど100人を超えるワインの専門家が出品される450以上のボージョレ・ヌーボーの中から選定します。
11月16日(木) 午前0時、ボージョレ・ヌーボー2023、待ちに待った解禁です。
セイコーマートでも札幌市中央区の「セイコーマート南8条店」で解禁のイベントを行いました。深夜にもかかわらず、熱心なボージョレ・ヌーボーファンが参加してくださる中、いよいよ開栓!
「今年のボージョレ・ヌーボーは酸味やベリーの風味があり、渋味は穏やか。フレッシュで すっ と飲める"ボージョレらしい"味わい。ヴィラージュ・ヌーボーはフレッシュな味わいにやや渋味もあり、赤ワインらしさ、力強さを感じられます。飲み比べると差がはっきりわかって面白いですよ。」とはセイコーマートのワイン担当者談です。
セイコーマートではご予約いただいた分の他にも店頭販売分をご用意しています。どうぞお早目にお買い求めください。
ボージョレ・ヌーボー
楽しいキャッチコピー
毎年、ボージョレ・ワイン委員会が発表するキャッチコピーが話題になります。その年のワインの出来栄えを表すものです。
[2022年]
太陽に恵まれたヴィンテージ
~果実味とストラクチュアの完璧なバランス~
[2019年]
有望だが、生産者のテクニックが重要な年
[2020年]
非常にバランスが取れた爽やかさのある仕上がり
[2021年]
挑戦の末たどり着いた、納得のヌーヴォー
今年はどんなコピーになるのでしょうね。
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